コラム|暮らしのデザイン
ウッドショックで上がり始めた木材の価格・・
2021/06/13
前回の記事では、「住宅業界に激震?!「ウッドショック」が現実に。」というテーマで、ウッドショックが起きた背景や、国内の林業の実情などに触れました。
引き続いて、今回は、ウッドショックによって私たちの身近なところにどう影響するのかについて書いていこうと思います。
だんだんと上がり始めた木材の価格
業界では水面下で騒がれていた木材不足。
私たちの身近なところで「ウッドショック」というキーワードが聞かれ始めたのが、今年の4.5月頃。
国産の針葉樹である杉やヒノキの建築用材の価格が2~3割程度上がりました。
前回の記事で触れた通り、アメリカやカナダからの輸入木材である構造体に使われるような固い木材が入らなくなった為に、国産材の値上げは受け入れざるを得ない状況になりました。
新築の家づくりで使われる構造材の仕入れ価格も上がり、建築費用が上がったという声もすでに聞かれ始めています。
ましてや、これからは「木材が届くまで上棟(棟上げ)が出来ないので、着工を遅らせます・・」という話が上がってくるはずです。
住宅を建てるとなると、多くの木材を消費する為、買いだめをすることはあまりなく(大手のビルダー以外)、契約受注をして木材を仕入れることになるわけですが・・。
ですので、いざ仕入れようと思ったら「え?在庫無いんですか?」という状況になり兼ねない・・なので、タイミング的に今、具体的な設計中であったり契約前であったりする場合は、建築会社さんに前もって確認しつつ、計画通りに進めていけるようにしておくことをオススメします。
新築の建築費用、実際にいくらぐらい上がる??
このウッドショックの騒動で、値上がりの話ばかり。
ここで知りたいのは、やはり具体的な金額だと思いますww
概算で考えると、分かりやすいのですが。
新築の建築費用で考えると、例えば木造住宅であれば、木材(仕入れ)費用の割合は10%ほどです。
住宅の建築費用が2,500万であれば、その木材の費用は250万円ほど。
その250万円が、今回のウッドショックで2割の値上げをしたのであれば、50万円の値上げ・・という計算になります。
いかがでしょうか?
皆さん、「あ、思ったよりはマシかな・・」という感想が多いのではないでしょうか。
ただし!
今は、値上がりしているのが木材だけでなく、設備系も上がっています。
世界的な原油高騰から、設備に使われる建材の国内での供給が少ないからです。
今は、各建築会社さんは「仕入れ先」に悩んでいることが多いので、前もって状況を聞いておくことで後々のハプニングにバタバタせずに済むやもしれませんね。
家づくりを考えている方にアドバイスするなら・・
このウッドショック騒動、いつまで続くのやら分かりません。
・・が、他国の経済活発化を促すファクターなので、すぐに元通りに回復するとはとても思えません。
そして、元に戻そうと色々なテコ入れがあったとしても、ウッドショック以前の価格より下回ることは、ここ数年では起きないのでないかな?とも感じます。
では、家づくりを考えている方はどうすべきか?
あくまで、この方向に進むのでは?という予測の元でのアドバイスですので、ご承知おきください。
「いつまでに建てたい」と考えているなら、早めに動いた方が良い。
〇年の〇頃には家を建てたい~などと考えている場合、多くは子どもの通う学校の学校区で通わせたいなどの理由があるかと思います。
このように、建てる時期と建てたい理由が明確なのであれば、ここ数年で建てる可能性はかなり高いと言えるので、それならば前倒しで考えてみるべきなのでは?と思います。
考えが纏まらず前に進めずいると、材料不足や価格高騰の悪い波に飲まれてしまう可能性があるからです。
逆に「迫られていない家探し(づくり)」の方は、様子をみた方が良いかも。
しばらくは、住宅業界では不安定な時期が続きます。
良い方向にいくにはまだまだ時間が必要なこの状況において、家づくりをする理由が明確でなかったりと「なんとなく」で動いている方は、まだ状況を静観した方が良いのかも知れません。
建てる側のメリットがあまりないからです。
合意書をとる建築会社が増えてきました
このウッドショック騒動によって、今までになかった合意書をとる会社も増えているそうです。
今回の騒動によって、見積りの見直し、仕入れのイレギュラーな事案、工期の変更など、木材不足によって考えられるリスクに対して、先に家主さんと合意書を交わす・・といったものです。
建築会社さんも利益相互の関係で、赤字を出すわけにはいきませんので、当然のことです。
予算も、工期も、ギリギリの内容ではなく、少し余裕を持たせた形で進めていくことが大事だと言えますね。
皆さんの身近な暮らしの中で、様々な影響がでてくるウッドショック騒動ですが、慌てず、近い未来を想像しつつ、乗り越えていきたいものですね。
デザイン工務店 編集部
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