コラム|暮らしのデザイン
住宅業界に激震?!「ウッドショック」が現実に。
2021/06/13
じつは今、住宅業界でジワジワと深刻化しつつある木材不足。
この木材不足の最大の原因とされる「ウッドショック」を皆さん知ってますでしょうか?
なぜ、木材不足となるウッドショックというものが起きているのか、日本の林業の実態はどうなのか、木材不足が続くとどうなるのか、などにフォーカスして記事を書きたいと思います。
そもそもウッドショックとはなに? なぜ起きたの?
皆さん身に染みて感じていらっしゃると思いますが、日本、いや世界規模で、大きな経済変化が起きています。
新型コロナ感染症の拡大とその影響によって、私たちの暮らしの変化に合わせて様々な業界で急ピッチで対応に追われる中、物流の変化が著しいものとなったと感じます。
今回のウッドショック。ことの発端はアメリカです。
新型コロナの爆発的な感染拡大の影響で、国として経済へのテコ入れが入り、政策金利がほぼゼロになりました。
この超低金利に合わせて、住宅ローンも超低金利へと動き、さらに拍車をかけるように都心部から郊外への転居需要が重なり、、アメリカの住宅市場が活発化。
アメリカは木材の輸出をおさえ、自国内での木材消費へとシフトしている・・ということに加え、
中国でもコロナ明けから住宅市場が活発化し、積極的にアメリカなどの外国から木材を高値で買い占めているという状況にあります。
住宅の柱や梁などに使われる針葉樹の日本の輸入量は、海外からみると1割程度と少なく、優先的に仕入れることが難しいとも言えます。
その動きが水面下でジワジワと見え始めたのが、去年の秋ごろ。
今年の3月に木材の輸入が滞り始めて現実味を帯びてきました。
日本では、主に建物に使われる構造体(柱・梁など)の部分は、ベイマツ(アメリカ産・カナダ産)に頼っていましたが、それ難しくなった今。
代わりに、杉・ヒノキなどの国産の針葉樹を使おう!という話になるのですが、それがそう上手くはいかないのです。
輸入木材の不足を補えない日本の林業業界
日本では、木材の自給率は4割程で、他6割は輸入材に頼っているのが実情。
そして、その中で針葉樹など固い木材で構造体(柱・梁など)に使われるものが多いことから、状況をさらに深刻化させています。
ここ最近では、住宅会社や工務店、設計事務所などで、この限られた国産材を奪い合っており、価格高騰を招いてしまっているのです。
これこそが、ウッドショックが起きる背景です。
じゃ、自国内の木材供給量を増やせば良いんじゃないの?
自給率が上がれば、国内雇用が生まれるし、一石二鳥じゃん?
・・と思う方もいるやもしれませんが、そう簡単な話ではありません。
戦後、日本は荒廃した土地に沢山の植林をし、半世紀かけて森林面積を増やし続けてきました。
今では、日本は森林面積が国土の約7割を占めており、世界から見てもその森林面積は高い部類にあります。
以前、1970年代に起きたオイルショックとは違い、国内の資源(森林)の不足なので自国の供給でカバーすれば良いという判断になります。
それが、なぜ上手く移行できないのか?
それは、木材を伐採しして、流通に流すまでの工程の大変さ、そして、コンスタントに計画的な生産を続けていくことが難しいからです。
木材は、伐採→搬出→製材→乾燥→加工→流通という過程を経て、一般消費者に届きます。
そもそも、この過程の上で、国内の木材価格よりも、海外の木材の方が安かったために、林業が活性化してこなかったという理由になりますが。
そもそもこの過程の中で、「乾燥」という工程がなかなかの曲者です。
木材は、伐採して製材した後、収縮したり反ったりするので、乾燥という工程を挟んで加工することで、現場で使われる木材が不具合なく使えるというシナリオを組むことができます。
この乾燥は、人工乾燥や天然乾燥などがありますが、この乾燥させる量に限界があるため、伐採の量を増やしたところで、肝心の供給量を増やすことは出来ないのです。
そして、いつまで続くか分からない不透明なショック期間に対して、一時的に供給量を増やすための莫大な設備投資をすることにはならないのだそうです。
1960年代の木材輸入の自由化が起きて以来、国産の木材供給価格よりも安い海外の輸入木材に頼りきってきた日本だからこそ、起きた問題とも言えますね。
補助金に頼り気味な林業の業界だからこそ、今回のウッドショックを機に、変わるきっかけになることを祈っている次第です。
そして、これらウッドショックの背景や木材を取り巻く業界の話を踏まえた上で、私たちの暮らしに直接どんな影響があるのか?などを次回の記事で書いていきますね。
デザイン工務店 編集部
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