コラム|暮らしのデザイン
家を買う時に使える、固定資産税の優遇とは?
2021/03/03
前回の記事では、固定資産税と都市計画税にふれて、不動産を所有すると毎年かかる税金がありますよということを解説しました。
前回記事 >> 固定資産税と都市計画税を正しく理解しよう
https://www.designkoumuten.com/webmagazine/detail/107
今回の記事では、実際に家を買う時に「固定資産税と都市計画税」を軽減させる優遇制度について解説しようと思います。
実際に家を買う時の優遇制度「住宅用地の軽減措置」
専用住宅など、土地の上に一定の要件を満たす住宅が立っている場合は、「土地」の固定資産税が安くなります。
この制度は住宅用地の軽減措置と呼ばれるものです。
この軽減措置を受けられる住宅用地には、「小規模住宅用地」と「一般住宅用地」の2種類があります。
軽減措置を受けられる住宅用地の種類
▪小規模住宅用地:住宅の敷地で住宅1戸につき200㎡までの部分
▪一般住宅用地:住宅の敷地で住宅1戸につき200㎡を超え、家屋の床面積の10倍までの部分
固定資産税の課税標準額は下記のように計算します。
【固定資産税の課税標準額】
▪小規模住宅用地:固定資産税評価額 × (1/6)
▪一般住宅用地:固定資産税評価額 × (1/3)
また、都市計画税においても同様のルールで住宅用地の軽減措置が適用されます。
都市計画税の課税標準額は下記のように計算します。
【都市計画税の課税標準額】
▪小規模住宅用地:固定資産税評価額 × (1/3)
▪一般住宅用地:固定資産税評価額 × (2/3)
新築住宅に使える減額制度とは?
一定の要件を満たす新築住宅においては、新築から3年間(地上3階以上の中高耐火建築物については5年間)にわたり、「建物」の固定資産税が2分の1となります。
新築住宅の減額制度が利用できる建物は、以下の要件を満たす必要があります。
減額制度を受ける要件
▪住宅として使用する部分の床面積が全体の床面積の2分の1以上であること。
▪居住用部分の床面積(区分所有の住宅にあっては専有居住部分の床面積)が、50m2以上280m2以下であること。
※ただし、別荘については新築住宅の減額制度は適用されない。
なお、2022年3月31日までに新築された認定長期優良住宅については、新築から5年間(中高耐火建築物にあっては7年間)にわたり、建物の固定資産税が2分の1となります。
中古住宅に使える固定資産税精算金
中古住宅の購入では、税金ではないが固定資産税精算金というものが発生します。
固定資産税精算金とは、中古住宅の売買にあたって、売主と買主との間で固定資産税の負担を調整することです。
固定資産税および都市計画税の納税義務者は、毎年、1月1日時点の所有者。
その1年間の納税義務者はあくまでも1月1日時点の所有者であるため、1年間の間で所有者が何人も変わったとしても納税義務者は1月1日時点の所有者のままとなります。
例えば、年間で12万円の固定資産税がかかる住宅を2月1日に取引したとします。
2月1日以降の所有権は買主に移転するが、その年の固定資産税の納税義務者は1月1日時点の所有者のままであるため、売主が引き続き固定資産税を納税していくことになる・・ということです。
しかし、実際には2月1日以降は買主が購入した住宅を自分の不動産として自由に利用できることから、売主が引き続き固定資産税を負担するのは合理的ではないですね。
そこで、固定資産税の実質的な税負担を買主へ移転するために、買主が支払う調整金が固定資産税精算金なのです。
年間12万円の固定資産税を2月1日以降から11ヶ月分負担するとなると、買主が負担すべき固定資産税は11万円となります。
買主は引き渡し時に売買代金に加え、固定資産税精算金として11万円を売主に支払うことで、固定資産税の実質的な税負担者を買主に移転するということになるのです。
中古住宅の購入者は、引き渡しの翌年から固定資産税の納税義務者となります。
購入の初年度は、固定資産税を納税することはないが、固定資産税精算金を売主へ支払うことで実質的に初年度から固定資産税を負担していくことになる。
買主は、特に何もしなくても翌年以降に固定資産税の納税通知書が自動的に送られてくるため、固定資産税に関しては申告等の手続きの必要はない。
実際の納税は、翌年以降に送られてくる固定資産税納税通知に従って行うことになります。
デザイン工務店 編集部
前の記事では、今回の基礎となる固定資産税や都市計画税について、解説しています。
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関連記事 >> 固定資産税と都市計画税を正しく理解しよう
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