コラム|暮らしのデザイン
持ち家で難を逃れる?!リースバックとリバースモーゲージ
2021/02/10
皆さん、リースバックやリバースモーゲージという言葉をご存知でしょうか?
これは、現金や預貯金などのキャッシュ不足によって困った時に使える、持ち家を活用した資金づくりのことです。
ここ日本では、以前からリバースモーゲージという方法は使われていましたが、最近では金融機関によるリースバックという仕組みも使われ始めているので、今回は、このリースバックとリバースモーゲージの違いなどについて、書いてみようと思います。
コロナで破産する世帯が増加している・・
わくわく・どきどきで買った持ち家。
理想の住まい・理想の暮らしを実現するために、ほとんどの方が住宅ローンを活用して住宅を購入しています。
しかし、2020年明けから始まったコロナ感染症の拡大によって経済の混乱が起き、ボーナスが出ない、残業手当てが出ない、など家計の心配ごとも増えていますね。
その中で、住宅ローンの返済が滞ってしまい、最悪、破産してしまう・・という世帯が増え始めていることをご存知でしょうか?
日本弁護士連動会の調べによると、最新の破産事件及び個人再生事件記録調査では、調査した破産債務者のうち、「住宅購入」が理由で破産している割合が16.05%を占めます。
これは、前回調査時12.24%、前々回調査時9.59%・・と、徐々に増加傾向にあることが分かります。
そんな「住宅ローン」の返済が滞ってしまうことが理由となる場合に、その持ち家を活用した資金調達の方法「リースバック、リバースモーゲージ」があります。
幅広い資金で使えるリースバックとは?
住宅を活用したリースバックとは、例えば、持ち家などをリースバック専門の不動産会社へ売却して、その飼い主の不動産会社へ家賃(リース料)を支払いながら、そのまま住み続けることをいいます。
また、一括売却なので、ローンの残債の有無にかかわらず、まとまったお金が欲しいこんな時、、
・老後の生活費に年金では足らない場合。
・事業資金として使いたい場合。
・病院の治療費として使いたい場合。
など、様々なケースで使うことができます。
これは、住んでいる場所を変えずに資金調達ができる点がメリットであり、「専門会社に任せるので短期でことが進む」「引っ越ししなくて良いので周りに知られにくい」「買戻しもできる」など住み手にとって都合の良いこともあります。
リースバックのデメリットとはあるの?
一見、メリットばかりに思われそうですが、逆にデメリットもちろんあります。
まず、利用する為のハードルとして、「住宅の売却額>住宅ローンの残債額」でなければ、利用は難しいと考えた方が良いです。これは、オーバーローンと呼ばれるもの。
基本、住宅ローンでお金を借りる場合には、持ち家となる住宅そのものを「担保」(抵当権設定など)にとるので、その担保の解除が出来ない限り、このリースバックは使えないよ・・ということです。
リースバックをする不動産会社はあくまで「貸す」立場ですので、その条件をクリアしなければ難しい仕組みなんですね。
その他、リースバックのデメリットを上げると、、
・住宅の売却額が、周辺の相場よりも安くなりがち?!
・家賃(リース料)が、周辺の相場より高くなりがち?!
・買戻しのとき、買値は売値よりも高くなりがち?!
というデメリットがあります。
これは、事前にリースバックをする不動産会社へ確認していくことが必要ですが、あくまで(買い取って貸す立場で)主導権を握るのは不動産会社ということもあって、リアルな収支を考えると条件が悪い・・なんてことにもなりかねない。。
事前にしっかりと確認し、書類記載内容を認識することが大事だと言えます。
リースバックとは違う、リバースモーゲージとは?
前述にある通り、住む場所を変えずに資金調達と聞けば、「リバースモーゲージと一緒じゃない?」と考える人も多いかと思いますが、まったく違います。
リバースモーゲージとは、持ち家を「担保」に、金融機関などからお金を借り、借り手が死亡した時に自宅を売却して一括返済をするというものです。
死亡時に・・ということは、生きている内に融資枠を使い切ってしまった・・と右往左往することにもなりかねないので、収支計画をきちんと考えながら契約をすすめていかねばなりません。
なので、年齢制限も60歳以上、という年齢条件があったりします。
それに、持ち家の所有者は変わらないので、固定資産税などの税金の支払いや家のメンテナンスなどの費用も想定しておかねばならないので注意が必要です。
どう使い分ける?
一通り、リースバックとリバースモーゲージのメリット・デメリットに触れてきましたが、これらはどう使い分けていくべきでしょうか。
ひとつは、年齢。
そもそもリバースモーゲージは60歳以上など高齢であればあるほど、条件はクリアしやすい。
逆に、若ければ「買戻し」を視野に入れて、資金用途の自由度が高いことを上手く活用して、その事業が上手く軌道に乗れば買い戻せば良い。
もうひとつはキャッシュフローで判断するということ。どちらにしても、ケースバイケースでシミュレーションをする必要がありますが、どちらの方が精神的にも納得して、幸せな暮らしができるのか?もしっかりと考えておく必要があるかと思います。
どちらが向いているか、を客観視するのは難しいことなので、例えば、ファイナンシャルプランナーなど専門家に相談して、安心できるような材料をしっかりとつくりながら、進めていくことをおすすめします。
デザイン工務店 編集部
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