2016年1月18日 MBS 毎日放送の「住人十色」放送
本計画はクライアントの「倉庫をリノベーションしたような住まい」という言葉からスタートしたプロジェクトです。
近年住まい方の多様化もあり、金額面を考え既存倉庫をリノベーションしたような住まいが流行っています。
しかしながら実際は、しっかりと住居として考えるには断熱性能や構造面を配慮する必要があり、結局のところ新築並みの金額がかかってしまうことが多々あります。
そこで、本計画では新築で「倉庫をリノベーションしたような住まい」をつくりだし多様で豊かな空間を試みました。
敷地は古くからある住宅地と新しい分譲地の間に位置し三方を細長い生活道路に囲まれた敷地です。
そこで私たちはまず、昔からこの場所に元々存在するような倉庫を生み出し、その倉庫を施主の手で一つ一つリノベーションしていったかのように丁寧に設計を行っていきました。
外部と内部のつながりを大切にしながら、内部空間ではホワイトキューブを1つ設け、その中にプライバシーの必要な機能を閉じ込めました。全体としては、緩やかに繋がるスキップの空間とし、あえて空間の機能を限定しない平面計画を行い、施主の手で長い時間をかけて愛着のもてる空間を作っていける余白を設けました。
新築とすることで耐久性や環境負荷を考慮しながら時間軸までもデザインし、まるでそこに今まで濃く生活の豊かさへと変化することを私たちは期待しています。