家づくりのこと

子どもを豊かに育てるための住まいとは

2020/11/19



前回の記事では、子どもの成長と、死因リスクについて現状を書きました。

ここからは、もう少し掘り下げて、なぜ、未成年の自殺が多いのか?なぜ、そんな事態に陥ってしまうのか?ということを書いていこうと思います。


今、日本にいる18-22歳の若い人の内、なんと、4人に1人が自殺を本気で考えたことがあり、10人に1人が自殺未遂を経験したことがあるとされています。


この自殺未遂をした人たちの原因はなんでしょうか?







このグラフでみると、上位を占めるのは、、

1位「学校問題」男:49% 女:45%

2位「家庭問題」男:29% 女:46%

3位「健康問題」男:26% 女:29%

この3つであり、女性のみで考えると、家庭問題が1位となります。

よくニュースでも報じられるように、「学校でのいじめ」が大きな要因となっていますが、それ以外でも家庭問題として、両親などの家族との不和が原因であることも大きな要因となっています。




環境を変えることで、ポジティブに、改善することがある

この原因を改善するためには、ひとつひとつと向き合うことがもちろん大事だと言えますが、前記事からお伝えしている通り、「環境を変えること」がすごく大事なことだとも言えると考えています。

環境を変えることで、自身のモティベーションを上げたり、気持ちが切り替わってポジティブに解決方法を考えたりする可能性も上がるはず。

また、家族のコミュニケーションが増え、家族間の不和が解消され、良い方向に進むことも考えられます。



家族の不和を解消する間取りを考えてみる

例えば、リビングとキッチンの関係性。

従来の住宅の間取りで考えると、キッチンとリビングは間仕切りの壁で仕切られており、閉鎖的で独立した空間で、声が届きにくい状況がありました。

これは、調理や皿洗いなどの家事をしている最中に、家族とのコミュニケーションがとりづらいことで、家族の不和に繋がる要因のひとつになるのでは?と考えられたりします。


 


これを、開放的なキッチンでリビングと繋げることで、家族間の会話も増え、普段、学校であったこと、職場であったこと、時事ネタについてのことなど、家族のお互いの想いを交える場が増えていきます。


また、洗濯などを含めた家事動線をリビングに近い動線におくことであったり、子ども部屋を家族の声の届きやすい配置プランニングにしたりすることで、自然と家族を近くに感じれるようになります。


さらには、子どもの成長によって、間取りを変えることができる前提のフレキシブルな住宅にして、暮らしやすく心地よい空間にしてみたり。


これらの環境の改善を積み重ねることで、自己形成が未熟なお子さんにとって「心の安定」に繋がり、家族の不和を解消する方向にむかうものだと思います。




家族それぞれがやることを「共有」するということ

住まいでの家族とのコミュニケーションは、なにも会話だけではありません。

例えば、住まいの中でやる家事を「共有」することも、家族のコミュニケーションとして大きな役割を果たします。

昭和~平成~令和に移るにしたがって、共働きの割合が過半数を超え、家族の働きかたもライフスタイルも大きく変わってきました。

それとともに、以前は母親の仕事だと言われていた家事が、今では、父親も子どもも加わり、家族みんなでこなしていくスタイルへと徐々に変わってきているように感じます。




そういった変化の中で、当然、住まいのあり方も変わってきました。

キッチンまわりの動線の幅が広くとられたり、キッチンそのものが複数人で家事ができるように広くなったり、気持ちよく調理ができるように壁などを減らたり。


また、洗濯などの家事動線も同様に広くなり、また干し場までの動線が短く歩きやすくなったり。

こういった家事のシェアは、現代のワークシェアの状況と似て、どんどんと進められています。


こんな大きな価値観の変化や「環境」の変化があるなかで、家族のコミュニケーションが増え、家族の不和が解消されていくことで、子どもの将来・未来を明るく豊かなものにしていけるはずです。

何十年と生きていく棲家だからこそ、より幸せで、より豊かな暮らしができるように、少しづつでも良いので、住まいを整えていきたいものですね。



デザイン工務店 編集部

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