家づくりのこと
家の中で起きる子どもの事故と対策とは?
2020/10/23
家の中で起きる子どもの事故と対策とは?
ここ最近、コロナ禍の影響で「家に居る時間」が多くなったという方はすごく増えましたね。
・・と同時に、お子さんを含めたご家族で過ごす時間も増えているはずです。
そんな中で今回は、家の中で起きる子どもの事故とその対策について書いていこうと思います。
子どもが起こす宅内の事故とは??
宅内で子どもが起こす事故って、どんなものがあるでしょう?
お子さんを育てているご家庭では、経験とともにたくさんのことがきっと思い浮かんでくるかと思います。
それらをまとめたものが、厚労省のイメージイラストとしてあるので、色々な場面で不慮の事故が起きる可能性があることが分かりやすく伝わるかと思います。
子どもが宅内で起こす事故には、ほんとうに様々なケースがあります。
転んだり躓いたりは当たり前のことですが、何よりも「命の危機」に関わるような事故に合わないことを最優先に考えたいところ。
また、年齢別でみると、年齢が若い方が屋内で事故に合う割合も高く、特に未就学の0-6歳の子どもたちのほとんどは屋内で過ごす時間が長いので、事故にあうほとんどが宅内で起きていることも知っておきましょう。
私たち大人は、日々暮らす住空間の中で、いかに子どもたちが大きな事故に合わないようにリスクを減らし、また対策をとっていけるかを考えていく必要があります。
その上でまず考えるべきは、私たちの視点や感覚に偏ることなく「子どもの身体・運動能力は大人と比べてはるかに低いこと」をきちんと認識して考えることです。
私たちオトナが何とも思わないちょっとした段差が子どもにとっては怪我をする原因になってしまう・・など、注意深くよーく見渡すと、意外と身近に事故を起こす要因は多くあったりします。
この子どもと大人の違いについて、4つに大別すると分かりやすくなるかと思います。
①子どもは、身体が大人と比べて小さい。
子どもは、大人と比べて、身長や四肢、体表面積、臓器類等すべてが小さい。
例)
・大人にとっては危険でない隙間に指や手足、頭をはさんだり、段差が転倒の原因となったりする。
・のどが細いため、誤飲による窒息を起こす。
・身長が低いため、視界がさえぎられ、交通事故などにあう。
・出血ややけどなどの全身への影響が大きく、事故の影響が重症化する。
②子どもは、身体バランスが大人と異なる。
子どもは、3歳児でだいたい3頭身、3~6歳児で5頭身前後と、頭の比率が大きい。また、胴体の厚みよりも頭の直径が大きい。
例)
・バランスを失いやすく、転倒しやすい。
・頭が通る隙間であれば体が通るため、落下事故が起きる。
・身体が通り抜けても、頭がひっかかり、抜けなくなる。
③子どもは、身体機能、運動能力が未熟である。
子どもは、嚥下力が弱い、皮膚が薄い、体温調節力が低いなど、身体機能が未熟である。
また、筋力や平衡感覚などの運動能力も未熟である。
例)
・嚥下力が弱く、誤飲による窒息を起こしやすい。
・肌が薄く、火傷が重症化しやすい。
・体温調節力が未熟で、熱中症になりやすい。
・筋力が弱く、身体を支えたり、物につかまったりできない。
・平衡感覚が未熟で、素早く身をかわして危険を避けることができない。
④子どもの理解力や行動は、大人と異なる
例)
・危険という観念が分からず、危険なものでもさわったり、口にしたりする。
・大人が思いもよらない動作や行動をとり、何をするか予測がつかない。
実際に子育てをしていらっしゃるご家庭では、「そう、意外とこんなことあるよね!」と理解して頂けると思いますし、4つに分けることで整理して考えることができるので腑に落ちるのではないでしょうか。
そして、これら起こりうる不慮の事故でも、死因となるような深刻な事故があることも把握しましょう。
今はインターネットによって、リスクヘッジをうまく共有出来る時代になっているので、20.30年前と比べると明らかに事故の数は減ってはいるものの、まだまだ事故が多いのが現実。
年代別で、不慮の事故(交通事故・自然災害は除く)における死因内訳も厚労省から発表されているので、参照ください。
いかがでしょうか?
0歳児では、転倒転落など要因は減り、変わらず「窒息」の要因は多くの割合を占めており、これには異物の誤飲なども含まれています。
乳児期を超えると、そこから小学生頃まで高い割合を占めるのは「溺水」です。特に未就学前のお子さんはお風呂場での事故が多いことも知っておきましょう。
それぞれのご家族のライフスタイルで考えよう
今では、私たちの暮らしかたは百人十色といろいろなスタイルがありますが、それにリンクして住まいもどんどんと進化して細分化され、いろいろな住宅が建てられていますね。
平屋、2階建て、3階建てなど回数の違い、間取りの仕切り壁のつくり方や吹抜けの有無、アイランドキッチンなど開放的なキッチン設備など、それぞれのライフスタイルに合わせた家づくりをしているので、そのご家族の暮らしかたによって、宅内で起きる事故のリスク対策もまったく変わってくるはずです。
起きてからでは遅い事故を未然にふせぐために、考えられる様々なケースに対策をとっておくことが大切なことですので、まずは知ること・調べることから始めてみましょう。
こちらの記事では、住まいの環境と子どもの成長について、記事を書いています。
>>>住環境が子どもに与える影響とは
デザイン工務店 編集部
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