家づくりのこと
【Part.1】じわじわと拡大する中古住宅市場。なぜ、伸びているの?
2020/01/25
みなさんは、中古住宅にどんなイメージをお持ちでしょうか?
耐震基準の他、断熱性や気密性など変化・更新し続ける建築基準法や、建物のデザインや意匠性などのトレンドも変わってきている中で、迷われた結果、中古住宅よりも新築が良い!と判断される方がほとんどです。
そんな中、少しづつではありますが、消費者が思う中古住宅の在りかたが変わってきています。
矢野経済研究所という調査・マーケティング会社が、中古住宅市場の統計データを発表しました。
「中古住宅買取再販市場規模推移と予測」というもので、ここ5年の実績統計と予測を表したもの。
なんだかタイトルだけ聞くと、難しそうですよね。
これは、中古の戸建てやマンションを不動産会社が一旦買い取りをし、その住宅をリフォーム・リノベーションしてから、販売するというもので、それを買取再販(買い取って再販する)と言います。
その中古住宅の買取再販の市場規模が、どう推移しているのか、また、これからどう拡大するのか?を予測したデータということです。
2014年の市場規模は、21,400戸。
これが、中古マンション・中古戸建てともにジワジワと伸びて、2018年には32,500戸まで続伸しています。
そして、今までの推移や不動産会社の動向を踏まえ、2025年には45,000戸(10年で倍増)まで拡大するであろう市場という見方がされています。
なぜ、中古住宅の再販市場が伸びているの?
ここまで市場が拡大してきている・・これには大きな理由が幾つかあります。
ひとつは、日本での中古住宅の査定がまだまだ割安感があるということ。
築年数が経った古めの住宅は、やはり今の住宅よりも断熱や気密、耐震性などの性能が低い。
そして、よっぽどメンテナンスをしていない限り、老朽化が進んで見た目があまり良くないことが多々。
そんな中古住宅を、リフォームなど改修せず自分自身が売主として売りに出したとしても、あまり売れず、また安くなりがちです。
それに比べて、事業者がその中古住宅を買い取ることで、リフォーム部材の大量発注でリフォームにかかる費用を抑えたり、改修プランをパターン化して安く工期を短くしたりと、改修のコストパフォーマンスが上がります。
そして、新築に近いほどのクオリティで売りに出されるので、新築住宅より割安に買えるということで買い手が増えているものだと考えられます。
それに、古き良きを残したい気持ちや、懐かしさを活かしたい、というエコ的な心情も消費者心理にあるのかも知れませんが。
さらには、国内の空き物件が800万戸を超え、流動しない中古住宅を問題視している国なので、国土交通省なども税制優遇をするなど、国策として中古住宅市場への働きかけをしている点も大きな要因だと言えます。
そして、不動産会社側の都合もあります。
比較的需要の多いエリアでは、買いたい土地が見つからない問題が存在します。
家が欲しいというお客さまはいるのに、土地が見つからないがゆえになかなか家づくりが進まない・・といった状況です。
これに対して、中古住宅であれば比較的良い場所にあったりするので、それを割安に再販して商売をした方が得策だと考える不動産会社が増え、以前からの主力事業者である地場の中小不動産会社に加えて、大手デベロッパーやその系列の不動産会社なども新規参入している背景があったりします。
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【Part.2】じわじわと拡大する中古住宅市場。なぜ、伸びているの?
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