家づくりのこと

長期優良住宅って、どんな住宅なの?

2021/07/14


長期優良住宅って、どんな住宅なの?

長期優良住宅は、長く安心・快適に暮らせる家として、「長期優良住宅認定制度」として平成21年にスタートしました。

この制度の基準をクリアし、認定を受けている家が「長期優良住宅」となります。



①.バリアフリー性

将来のバリアフリーリフォームに対応できるようになっていること。


②.可変性

ライフスタイルの変化に応じて間取り変更などが可能になっていること。


③.耐震性

極めてまれに発生する地震に対し、継続して住むための改修の容易化を図るため、損傷レベルの低減を図ること。
(耐震等級2以上または免震建築物など)


④.省エネルギー性

次世代省エネルギー基準に適合するために必要な断熱性能などを確保していること。
(省エネルギー対策等級4以上)


⑤.居住環境

良好な景観の形成や、地域おける居住環境の維持・向上に配慮されていること。


⑥.維持保全計画

定期的な点検、補修等に関する計画が策定されていること。


⑦.維持管理・更新の容易性

構造躯体に比べて耐用年数が短い内装や設備について、維持管理を容易に行うために必要な措置が講じられていること。


⑧.劣化対策

数世代にわたり住宅の構造躯体が使用できること。
(床下空間330mm以上確保、劣化対策等級3相当)


⑨.住戸面積

一戸建ては75m2以上、少なくとも一つのフロアの床面積が40m2以上あること。


この長期優良住宅認定制度は、平成21年6月4日に施工されました。

平成30年度末には累計で100万戸以上が認定を受けていて、年間で10万戸程度増しで推移し、新築される一戸建て住宅の約4戸に1戸の割合で認定取得をしています。

この認定を受けることで「税の特例処置、住宅ローンの金利引き下げ、地域型住宅グリーン事業の補助金」などのメリットがある他、地震保険料の割引を受けることが出来るなどもあります。


参考:住宅性能評価・表示協会




具体的に、どんなメリットがある?


この長期優良住宅の建物と認定されと、いろいろな税制上の優遇を受けることができます。
ただし、「2022年3月までに新築すること」など、期限が設けられているものであり、また、その情報も追加・更新されることも考えられるので、随時チェックが必要だと感じます。


例えば、住宅ローン控除の対象となる借入限度額が、一般住宅が4,000万円までですが、長期優良住宅は5,000万円まで、となったりします。
また、住宅を取得したときにかかる不動産取得税は、一般住宅の評価額の控除額が1,200万円ですが、長期優良住宅では1,300万円までが控除。
加えて、新築住宅を建てると固定資産税税額が2分の1に軽減される期間ですが、一戸建ての一般住宅が3年間に対して、長期優良住宅では5年間、となります。


その他、住宅ローンのひとつであるフラット35では、長期優良住宅向けの金利優遇制度が設けられています。

一定の基準を満たすことで一定期間の金利を引き下げるプランであるフラット35Sや返済期間が最長50年のフラット50の利用が可能となり、金利負担を軽減することができます。


長期優良住宅の新築や、その他リフォームなどでもらえる補助金も

上記のような長期優良住宅の新築をしたり、またリフォームをしたりすることで、もらえる補助金の内容もお伝えします。


地域型住宅グリーン化事業

補助金額は最大で110万円。
木造の認定長期優良住宅を建てた場合に利用でき、国土交通省から採択された中小工務店に依頼をした場合のみに対象。
地域材を利用することで加算金を得られるケースもある。


長期優良住宅化リフォーム推進事業

補助金額は、評価基準型:100(150)万円、認定長期優良住宅型:200(250)万円、高度省エネルギー型:250(300)万円。
()内の数字は三世代同居対応リフォーム工事の実施、若者・子育て世帯、既存住宅の購入者がリフォーム工事を行う場合など。

耐久性・耐震性・省エネルギー性・維持管理のしやすさといった観点で住宅のリフォームを行うときに受けられる補助金です。


参考:住宅性能評価・表示協会


長期優良住宅でもメンテナンスは必要です


よく思われがちなのですが、長期優良住宅として建築したのだから住宅のメンテナンスは(そんなに)必要ない、と考える方も相当数いらっしゃいますが、決してそんなことはなく、一般住宅同様にメンテナンスは欠かせません。

長期優良住宅の認定を受けるときは、維持保全計画に基づいて進めることとなり、その維持保全に必要な箇所(構造耐力上主要な部分・雨水の浸入を防止する部分・給排水設備)の修繕工事をしていくこととなります。

この点検は、少なくとも10年に一度は実施する必要があり、また災害などが発生した場合にも必要となり、点検をしたらその記録を保存しておくなどの義務があります。(それらを怠ると認定取り消し・・なんてことも。)

さらには、認定を受けた住宅で大規模なリフォーム工事をする時には、それを申請することにもなるなど、認定を受けた後でも長期的な付き合い方をすることを念頭におくことが大切だと言えます。



いかがでしたでしょうか?

長期優良住宅は、法律に基づく認定基準や条件をクリアした住宅がゆえ、長く安心して暮らすことができる住宅です。

それに伴って、税制上の優遇が受けられたり、補助金が交付されたりと、メリットとなる点があります。

これは、長期的な計画で付き合っていく仕組みであり、建築時にも認定を受けるためにも綿密に計画を進めていく必要があり、また建築後も定期的なメンテナンス維持が必要であります。

長期優良住宅への理解を深めて、より計画的な家づくりが進めていければ良いですね。


デザイン工務店 編集部



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