コラム|暮らしのデザイン
防災のおはなし ~家具・家電の固定できてますか?~
2021/03/28
コロナ感染症の拡大によって、一変した私たちの暮らし。
ウィルスの感染症が、ここまで私たちの経済に大きな影響を与えることを誰が予想できたでしょうか。
これから来るであろうと言われた5-10年先のライフスタイルの変化が、ここ1年で半ば強制的に起き、戸惑いながらもこの時代にあった暮らしにアップデートしている・・といったイメージでしょうか。
いつ起きてもおかしくない大地震
しかし、怖いのはコロナだけではありません。
10年程前から騒がれはじめた「首都圏直下型」「南海トラフ」などの地震です。
80-90年程の間隔で発生するであろうと言われる地震で、地震後経過率も0.85を超えている状況で、まさに「いつ起きてもおかしくない」ということになります。
自然災害に、容赦なんてものは当然なく、弱り目に祟り目なんてものが平気でおきます。
私たちは、近い将来を見据えて、災害に対する対策をとっていく・・ということに真面目に取り組み、「身近なところ」から身の安全を守ることを考えていかねばなりません。
では、どういったことからチェックし始めるのかを一緒に考えていきましょう。
地震が起きたときの家具・家電の恐ろしさ
例えば、平成7年に起きた兵庫県南部を襲った直下型大地震の阪神・淡路大震災。
ここでは、マグニチュード7.3で、震度7を記録し、死者・行方不明者は6千人を超えました。
そして、負傷者は4.3万人を超え、家具・家電の転倒や散乱によって、逃げ遅れたり、けがを負った方がかなり多かったそうで、全体の約6割の部屋で家具が転倒した・・という報告データもあります。
その転倒した家具、何が恐ろしいのかというと、まず、大きな背の高い家具が倒れかかってくることで、家具に押されたり挟まれたりして怪我をするといった状況です。
次に、窓ガラスや食器類などが散乱することによる足もとを怪我するといった状況で、ガラスなどが散乱したでは屋内では靴ナシではとても歩けないことも・・、さらには直後に明かりが無く、ガラスが散乱していることに気付かず、踏んで怪我をする・・といったことになります。
家具の固定が最優先
地震で大きく揺れる時には、ほぼ同じほど家具が振られるので、それなりの支えで固定する必要があります。
その固定する場所は、どこでも良いというわけではなく、壁の中に隠れている構造材(桟など)に打ち付けることが大事で、これが単なるプラスターボードなどの下地材に打ち付けたところですぐ固定が外れて意味をなさなくなるのです。
ですので、目で見かる構造材であればそれに固定しますし、それがなければ壁の中にある構造材を見つけだして、施工することが大事なことだと言えます。
これは、専門業者にお願いするか、もしくは、ホームセンターなどで磁石などによる構造材チェッカーなどを購入して調べながら、施工することをおススメします。
例えばで、家具別でご紹介すると、、
【タンス】
:床側をストッパーなどで固定し、天井側はポール式器具で固定。
ポール式器具は、タンスの奥の方(壁側)で、天井や家具の硬いところに取り付ける。上下に分かれている家具は連結。
【食器棚】
:L字型金具やワイヤーなどで壁に固定し、開き戸には開かないように留め金を付ける。
ガラスにはガラス飛散防止フィルムを張る。
【本棚】
:L字型金具やワイヤーなどで壁に固定し、重い本は下の段に。
本棚の端の硬い部分にひもやベルトなどを取り付けて、本が飛び出さないようにしておく。
【テレビ】
:粘着マットを敷いて転倒を防ぐとともに、機器の裏側をワイヤーなどで壁やテレビボードに固定する。
【冷蔵庫】
:裏側をワイヤーなどで壁に固定する。
【窓ガラス】
:強化ガラスに替えたり、飛散防止フィルムを張ったりする。
カーテンを閉めておくことでも室内への飛散防止に効果があります。
靴・スリッパなどを枕元に
地震で住宅が大きく揺れたあとは、屋内はもうメチャクチャな状況です。
家具・家電は倒れ、食器棚の食器類は落ちて割れてしまったり、屋内外のガラスは割れて散乱したりと、まともな足の踏み場は無いと考えておいた方が無難でしょう。
そして、夜は当然のこと、日中でも電気がなければ細かい散乱物までは見えにくいので、手探りで移動することになるはずです。
そんな時にすごく大事なものが靴(もしくはスリッパ)です。
災害時に足裏をケガしてしまうと、当然、思うように動けなくなるので、事態はより深刻になります。
そうならない為にも、寝室の枕元や、リビングなど、住宅内でも割合的に多くいる場所には、災害時用の靴を置いておくことをおススメします。
いかがでしたでしょうか。
災害時を想定すれば、当たり前のことばかりではありますが、、なかなか自分事として考えれている方は決して多くはありません。
「一時が万事」という言葉の通り、常日頃から災害時の対策を考えておくことで、事態の深刻さを軽減することにきっと繋がるはずです。
皆さんの災害に対する考えを見直すよいきっかけになれば幸いです。
デザイン工務店 編集部
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