コラム|暮らしのデザイン

家賃を払っていけない・・なら知っておくべき「住宅確保給付金」

2021/01/17



住宅確保給付金とは


これは、リーマンショックをきっかけに生まれた制度で、元は平成21年から行われている住まい対策拡充等支援として住宅支援給付事業を制度化したものです。

リーマンショックが起きた頃、国内では派遣切りが相次ぎ、家賃が払えない方が溢れました。

年越し派遣村などが話題を呼んでいたので覚えていらっしゃる方も多いはず。

その状況に対し、支援策として厚生労働省が立ち上げたのが「住宅手当緊急特別措置事業」であり、現住宅確保給付金の大元になります。




目的は「離職等により経済的に困窮し、住居を失った又はそのおそれがある者に対し、住居確保給付金を支給することにより、安定した住居の確保と就労自立を図る。」ことにあります。

ざっくりと言えば、失業・離職した方を対象に支援する制度のひとつです。

コロナで失業率が上がる今だからこそ、自分自身のため、お知り合いのために、万が一の事態に備えて知っておいて損はないはず。



フリーランス、自営業者など、廃業者した方も受給できる可能性あり


明確に分かりやすい線引きは、雇用関係にある勤め先を2年以内に辞めたということであり、ここでいう退職理由は問わないことになっています。

収入が減ってしまったことや出勤日が減らされたこと等であっても、雇用関係が続いていれば対象にはなりません。

こうした人に対しては休業補償があり、この原資になる雇用調整助成金の特例措置を2020年6月30日まで拡大。(雇用保険被保険者でない労働者の休業も助成金の対象に)

住宅とは関係ありませんが、休業補償という意味では小学校が臨時閉校になったために仕事を休まざるをえなくなった保護者への、正規、非正規を問わない助成金制度というのもあります。

(こちらも6月30日まで延長)

4月20日からは離職に至っていない人も対象になっている。




雇用調整助成金▼

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/pageL07.html



コロナによる小学校休業等対応助成金・支援金▼

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_10259.html




収入、預貯金の要件をチェックしましょう


対象要件には、職歴、就業状況以外にも要件があります。


▼収入:


申請月の世帯収入の合計額が基準額(市町村民税均等割が非課税となる収入額の12分の1)プラス家賃額以下であること。


▼預貯金額:


申請時の世帯の預貯金合計額が基準額×6(ただし100万円を超えない額)以下であることとなっており、上記エリアの場合、単身世帯で50万4,000円、2人世帯で78万円、3人世帯で100万円が例示されている。


▼就職活動:


ハローワークでの求職活動が必要で、その要件は「月2回以上の公共職業安定所の職業相談等」および「週1回以上の応募または面接」となっているが、その回数を減ずるまたは免ずることができると緩和されている。

自立相談支援機関への相談についても面談が原則とされるものの、勤務状況や地域の感染状況等により来庁が困難な場合は、電話などの手段に替えることができ、給与明細の郵送をもって収入の確認にかえることができるとなっている。


▼支給額:


生活保護の住宅扶助特別基準額が上限となっているので、各自治体の生活保護関連のページを検索すれば上限額が分かる。(家賃全額が支給されるのではない点に注意が必要。)


▼支給期間:


原則3ヶ月ではあるものの、就職活動をきちんと行っている場合などについては3ヶ月の延長が可能で、最長9ヶ月まで。


▼問合せ先:


申請方法、必要書類など詳細については全国1,300ヶ所に設置されている自立相談支援機関へ。最寄りに窓口の連絡先がない場合は都道府県、市町村へ問合せてみよう。住



生活困窮者自立支援制度の紹介(厚生労働省)▼

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000073432.html



また、これらの類で注意すべきは、制度の活用と並行して、管理会社/大家さんなど住宅の貸主にも早めに相談をしておいたほうがよいところ。

管理会社、大家さんとの日頃の関係や会社としての方針などにもよりますが、事前の相談をしておけば事がスムーズに進みやすいと思います。



これらの制度以外にも政府は省庁ごとにさまざまな支援策を打ち出しています。

いずれも状況に応じて変化するものなので、気になることはホームページで随時チェックをすることをおススメします。



経済産業省の支援策(2020年5月22日時点)

https://www.meti.go.jp/covid-19/



最後に。

コロナを契機に、政府はあれやこれやと色々な支援策を打ち出していますが、そこに便乗する詐欺まがいのことを仕掛ける人たちがいることも確かです。

自分の身は自分で守る・・ということを念頭において、正しい情報と使いかたをきちんとした形で情報収集できるように、情報元を調べていくことをおススメします。



デザイン工務店 編集部


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